イシンバイ (Ishimbay)
ウラル山脈南部の西麓(ヨーロッパ側)に位置する. ヴォルガ川水系の大きな支流であるベラヤ川と、タイルク川(Тайрук)という小川に挟まれるように街があり、街の北でタイルク川がベラヤ川に合流している. バシコルトスタン共和国の首都ウファからは南に150キロメートル離れている. 最寄りの町は21キロメートル北にあるステルリタマクと10キロメートル南西に隣接するサラヴァト.
1776年にタイルク川沿いにクシャプクロヴォという名の村が開かれた. 1815年にはバシキール人の村であるイシンバエヴォの村が開かれた.
18世紀後半からロシア科学アカデミーはウラル地方の資源を調査し、この場所で石油を発見していたが、油田として有望かどうかについては議論があった. 20世紀から掘削試験が始まり、1930年からは油田探索が本格化した. 1932年5月16日、イシンバエヴォ村の近くの702号油井で原油が噴出し、これがタタールスタンからバシキールにかけてのヴォルガ・ウラル油田の開発が本格化するきっかけになる. イシンバエヴォやクシャプクロヴォ付近など、現在のイシンバイ市域で次々に油井が開発され、ソ連政府はヴォルガ・ウラルを「第二のバクー」とすべく開発に本腰を入れた. 1934年にはイシンバイは都市型集落となり鉄道が開通した. 1940年2月10日には市に昇格した. 戦後になると原油の精製や石油化学製品を開発するため、近くにサラヴァトの街と工場が築かれ、一帯は石油産業で栄えた.